市販の筋子からイクラを作る方法

いろいろな筋子

 

 

日本の筋子というのは、大体がシロザケの卵となっています。ちなみにロシアでは種類が違って、カラフトマスの卵が殆どなのだそうです。こうした地域による魚種の違いというのは、北西太平洋での産卵する来遊量が日本とロシアで違うからなのだそうです。

 

「レッドキャビア」と呼ばれるイクラもありますが、これはカラフトマスの卵です。このように同じイクラでもずいぶん違うのですが、大別すればシロザケとカラフトマスになると思ってください。

 

ご存知のように鮭は海で生活し育ちますが、最後は川に戻ってきて産卵します。シロザケの場合だけは産卵を川の下流部でするのですが、他の鮭類はもっと上中流部や、上流の湖沼などに行って産卵します。

 

産卵のシーズンは秋で、シロザケは川に戻ってくるとすぐ産卵しますので、卵は沿岸に来たそのタイミングで既に成熟していて分離します。それに対して他の鮭類は、沿岸域に来遊したタイミングではまだ未成熟卵です。これで想像がつくと思いますが、筋子は基本的に未成熟な卵巣なのです。

 

イクラにする場合は後で分離しやすい成熟卵巣がよく使用されます。シロザケの筋子だけは、未成熟な卵巣を使うために、沖合で漁獲しています。

 

筋子の大きさにはバラツキがありますが、それは漁獲されたタイミング違いがあるからで、卵巣成熟度が違うということになります。イクラの皮にかなり弾力がある場合がありますが、これは成熟卵を抱えている鮭が淡水に入ってきて体内の浸透圧調節で起こった状態です。海から川に戻ってから漁獲された鮭の卵ということです。

 

卵を外す前のものを基本的には全部筋子と言うわけですが、流通されている品のほとんどは塩蔵加工品となります。筋子と言えば大半が塩蔵品というわけで、未加工の筋子は特に「生筋子」、「腹子・ハラコ」と呼んで区別されています。「生筋子」は、全くの未加工品と考えてください。